臨床開発を統括する責任者を目指す

臨床開発

承認申請前の創薬に向けたアンカー役

臨床開発は、人を対象にした臨床試験の有効性や安全性を評価する仕事で、医薬品開発の最終プロセス。社内外の多くの関係者の思いを受け、承認申請に向けて走るアンカー役です。大きな責任を感じますが、それだけにやりがいの大きな仕事です。

臨床試験の結果を確認し、承認申請資料を作成

私が主に担当している仕事は、臨床試験のモニタリング業務です。
臨床試験とは、動物を対象に行う非臨床試験の次の段階に当たります。実際の医療施設で人を対象に実施し、新薬の候補である治験薬の有効性や安全性についてのデータを収集します。その際、被験者の健康状態やデータの妥当性などをカルテの閲覧や担当ドクターとの面会を通して確認したり、施設が法規制やあらかじめ定められた治験計画などを遵守しているかどうか確認するのがモニタリング業務です。薬や疾患、関連法規の知識のほか、安全性に対する高い意識が必要な仕事です。
また、最近では承認申請資料の作成にも携わっています。これは、新薬としての承認を得るため、臨床試験で得られたデータを取り纏める業務。臨床開発部で作成したデータは、他部署が作成した資料とともに薬事部が纏め、承認の申請を行います。この申請が通らなければ、それまでの苦労が無駄になってしまうので、正確を期すとともに、読みやすい文章を心掛けるなど、細心の注意を払って取り組んでいます。

臨床開発責任者として新薬承認を目指す

医薬品開発はプロジェクトのスパンが長く、成分探索から医薬品としての承認まで10年以上の期間を必要とします。だからこそ、自分が携わった医薬品が市場に出ることは大きな意義があると感じています。現在担当しているプロジェクトは、臨床試験の最終段階に入っており、新薬承認に大きな期待がかかっています。私にとって新薬承認はこれが初めての経験で、新薬が患者さんの役に立てると思うと今から本当に楽しみです。
将来は、臨床開発責任者として新薬を世に出すことを目標としています。そのためにも臨床開発業務の様々な工程、業務に携わり、多くの経験を積むことが重要だと考えています。最近携わるようになった承認申請資料作成もその一つです。担当になってからまだ数カ月しか経っていませんが、この業務を担当することで臨床試験に対する理解が深まり、良い勉強をさせてもらっていると感じています。

進行中の臨床試験の進捗状況を会議で共有。翌日からの出張ですべきことを確認し、準備する。

臨床試験を実施している地方の医療施設へ出張。カルテを閲覧したり、ドクターと面会して臨床試験データを収集。

前日とは別の医療施設を訪問。地方出張の場合、宿泊して施設を回るケースがある。車内や機内でモニタリングの結果報告書を作成することも。

午前中はモニタリングの結果報告書を作成。午後からは承認申請資料の作成に取り掛かる。

前日に引き続き、承認申請資料を作成する。

※本記事の内容は取材当時のものです。