現在、公表している製品パイプライン(開発品の状況)は次のとおりです。
<医薬品>
開発コード・物質名 | 適応症 | 開発地域 | 段階 | 備考 |
---|---|---|---|---|
SI-6603 コンドリアーゼ |
腰椎椎間板 ヘルニア |
米国 | 第III相 | フェリング・ファーマシューティカルズ社 (スイス)と海外におけるライセンス 契約を締結 |
SI-613 ジクロフェナク結合 ヒアルロン酸 |
変形性膝関節症 | 米国 | 第II相 | |
SI-613-ETP ジクロフェナク結合 ヒアルロン酸 |
腱・靭帯付着部症 | 日本 | 後期第II相 | 小野薬品工業株式会社と共同開発及び 販売提携に関する契約を締結 |
SI-614 修飾ヒアルロン酸 |
ドライアイ | 米国 | 第III相 | |
SI-722 ステロイド結合 コンドロイチン硫酸 |
間質性膀胱炎 | 米国 | 第I/II相 |
<医療機器>
開発コード・物質名 | 品 名 | 開発地域 | 段階 | 備考 |
---|---|---|---|---|
SI-449 コンドロイチン硫酸 架橋体 |
癒着防止材 | 日本 |
ピボタル 試験 |
(2021年9月30日現在)
コンドリアーゼを有効成分とし、椎間板内に直接注射する腰椎椎間板ヘルニア治療剤です。全身麻酔の必要がなく、手術療法と比較して患者の方々への身体的負担が小さいという特徴を有しています。本剤は1回の注射で椎間板内圧を低下させ、神経根の圧迫を軽減させることで、腰椎椎間板ヘルニアの症状の改善が期待できることから、新たな治療選択肢として、患者の方々の生活の質の向上に貢献できるものと考えています。
国内では、2018年3月に「ヘルニコア椎間板注用1.25単位」として製造販売承認を厚生労働省より取得し、同年8月1日に発売しました。
米国では第Ⅲ相臨床試験において薬理効果が認められたものの、主要評価項目において改善効果が認められなかったことを受けて、2018年2月より追加の第Ⅲ相臨床試験を開始し、2022年11月に経過観察を完了する計画で進めています。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、一部医療機関での治験中断や被験者の来院見合わせが発生したこともあり、試験スケジュールに遅延が生じています。2021年3月末時点では、治験施設の稼働状況が回復傾向にあることに加え、被験者組み入れ促進策が奏功し、組み入れは着実に進展しています。引き続き、新型コロナウイルス感染症の感染リスク低減策等を講じながら、遅延の最小化を図っていきます。

当社独自の薬剤結合技術を用いてヒアルロン酸とジクロフェナク(抗炎症薬)を化学結合した薬剤です。加水分解によりジクロフェナクを遊離することで、変形性関節症や腱・靭帯付着部症の症状を改善することが期待されています。
国内では、2021年3月23日に関節機能改善剤「ジョイクル関節注30mg」として、変形性関節症(膝関節、股関節)の効能又は効果で製造販売承認を取得し、同年5月に販売を開始しました。関節機能改善剤において変形性股関節症の適応を持つ国内初の医薬品となります。
米国においては、変形性膝関節症を対象とした第Ⅱ相臨床試験が終了し、第Ⅲ相臨床試験についての検討と並行して、提携先の選定を進めています。
また、2020年4月には、エーザイ株式会社と中国における共同開発及び販売提携に関する契約を締結し、同年9月には同社と韓国における販売提携に関する契約を締結しました。
SI-613-ETP(腱・靭帯付着部症)については、国内での後期第Ⅱ相臨床試験のデータ解析が終了し、次相試験について共同開発及び販売提携先である小野薬品工業と検討を行っています。

当社独自の技術を活用してヒアルロン酸に疎水基を導入した両親媒性高分子の物質であり、本剤を点眼することで涙液層安定化作用と創傷角膜治癒促進作用によりドライアイの諸症状を改善することが期待されています。
米国における第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験等で臨床的に有用な効果が確認できたことから、2022年5月に第Ⅲ相臨床試験を開始しました。本試験は有効性と安全性の評価を目的としています。

当社独自のグリコサミノグリカン修飾技術やドラッグデリバリーシステムを活用し、コンドロイチン硫酸にステロイドを結合させた新規の化合物です。膀胱内に注入したSI-722が抗炎症作用を有するステロイドを徐放することで、持続的に頻尿や膀胱痛などの症状改善作用を発揮すると考えられます。
米国における第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験については、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い試験スケジュールに遅延が生じましたが、2021年1月に被験者組み入れが完了し、本試験において患者の方々での忍容性が確認されました。現在、取得したデータをもとに次相試験について検討を行っています。

当社独自のグリコサミノグリカン架橋技術を用いて創製した、コンドロイチン硫酸架橋体を主成分とする粉末状の医療機器です。水分を吸収し膨潤する特性を有しており、撒布後に手術創部と周辺組織の間でバリアとなることで、外科手術における術後癒着の防止効果が期待されます。本テーマは国内のみならず、グローバル展開を視野に入れて開発を進めていきます。
2020年5月に国内において有効性、安全性及び操作性の評価を目的とするピボタル試験を開始しましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い試験スケジュールに遅延が生じています。現在、治験実施施設の拡充や訪問制限がある施設にはリモート対応をするなど、遅延を挽回する施策に取り組んでいます。
