生化学工業は、地域社会との調和を図り、共に発展し続けていくために、社会や環境問題に関する取り組みを推進しています。また、「学問尊重」の理念を実践し、糖質科学の発展を支援するグローバルな助成・後援活動を行っています。

グラウンド開放を通じた地域コミュニケーションの推進

当社では、中央研究所及びCMC研究所に隣接している東大和市立第八小学校に、2007年から体育の授業や屋外活動に利用いただくように研究所内にあるグラウンドを開放し、子どもたちの育成の一助に貢献しています。

敷地内で子どもたちの元気な声が聞こえるのはとても微笑ましいものです。今後も、地域の皆さまのご理解・ご協力のもと地域社会の一員として事業活動を継続していくために、円滑なコミュニケーションづくりを推進していきます。

課外授業の様子
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課外授業の様子

薬の正しい知識を広める「いばらきのくすり展」に出展

2019年10月に、「薬と健康の週間」にあわせて茨城県が主催している「いばらきのくすり展」に出展いたしました。いばらきのくすり展は、茨城県内の工場で生産される医薬品、医療機器及び医薬部外品などを紹介する展示や、薬への理解を深めるクイズラリーの実施、調剤体験などを通して、一般の方々に薬を正しく使用することの大切さを知ってもらうことを目的としています。

当社は、茨城県高萩市に医薬品製造工場を有していることから、展示ブースを出展し、高萩工場、事業推進部が中心となり、「当社製品が日常生活の中でどのような役割を担っているのかを知ってもらうこと」をテーマに、当社の事業内容やヒアルロン酸の特性を説明するほか、当社製品に関連する疾患の啓発活動を行っています。医薬品等への適切な理解を広めると同時に、社員も製品に対する責任感を実感する機会となっています。

出展ブースの様子
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出展ブースの様子

「ものづくり」を学び・体験する工場見学会

生化学工業では、「ものづくり」の現場を身近に感じていただくことを目的として、小学生を招いた高萩工場見学会を2012年より実施しています。

製剤化工程の見学により医薬品ができるまでのプロセスを学んでいただくほか、高品質な医薬品を製造するための品質管理や安定供給への取り組みを紹介しています。また、「簡単にできるサイダーづくり」といった身近にあるものを用いた体験実習を行い、化学や実験に対する興味・関心を持つきっかけを提供しています。こうした地域住民の方々との交流を通じて、未来を担う子供たちの育成を支援しています。

クイズで学ぶコーナーではたくさんの手が上がりました
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クイズで学ぶコーナーではたくさんの手が上がりました

糖質科学研究の総合情報ウェブサイト「Glycoforum®」の運営

当社は、専門分野である糖質科学の発展に寄与するために、研究情報などの提供を行う純粋に学術的な内容のウェブサイト「Glycoforum®」を1997年より運営しています。


糖質科学情報のポータルサイトとして、世界の主要な研究者の論文や解説、学会情報などをタイムリーに発信し、国内外の研究者から高い支持を集めています。

 

グライコフォーラムのウェブサイト
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グライコフォーラムのウェブサイト

公益財団法人「水谷糖質科学振興財団」への支援

公益財団法人 水谷糖質科学振興財団は、糖質科学の振興、発展を通じて人類の福祉に貢献することを目的に、水谷當稱(元 生化学工業社長)の出捐金をもとに1992年に設立されました。以来、国内外における糖質科学研究者への研究助成や、糖質関連学会の開催支援などを行っています。2023年3月期は、15件の助成対象者に対し、総額7,041万円の研究助成を行いました。当社は、同財団の趣旨に賛同し、設立時より継続的にその活動を支援しています。

 

患者さんの早期治療のための情報提供

ひざイキイキ

国内の患者数は3,000万人※と言われている変形性膝関節症。加齢や過度の運動、体重の増加などにより関節に負担がかかり、軟骨が徐々にすり減る病気です。当社が運営する変形性膝関節症に関する一般向け情報提供ウェブサイト「ひざイキイキ」では、変形性膝関節症に関する基本的な知識や診断・治療方法をわかりやすく解説しています。また、小冊子「変形性ひざ関節症の運動療法」もダウンロードできます。

膝の痛みに悩まれている方々に正しい知識を提供し、より多くの方々が早期に適切な治療を受けられるよう、さらに内容の充実を図っていきます。


※厚生労働省. 介護予防の推進に向けた運動器疾患対策について. 報告書 平成20年

ひざイキイキのウェブサイト
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ひざイキイキのウェブサイト

腰ヘルニア.jp

腰椎椎間板ヘルニアは、腰の椎間板から髄核が飛び出し、近くを通る神経を圧迫することで、痛みやしびれが発症する病気です。当社が運営する腰椎椎間板ヘルニアに関する一般向け情報提供ウェブサイト「腰ヘルニア.jp」では、腰椎椎間板ヘルニアに関する基本的な知識や症状を説明するとともに、診断方法や治療方法についてわかりやすく解説しています。また、腰椎椎間板ヘルニアの患者さんを対象に行ったインターネット調査の結果から、季節・天気による症状の変化、仕事や生活への影響等についても紹介しています。

多くの方々が早期に適切な治療を受けられるよう、当サイトを通じて正しい知識や情報の提供を行っていきます。

腰ヘルニア.jpのウェブサイト
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腰ヘルニア.jpのウェブサイト

アソシエーツ オブ ケープ コッド インクのカブトガニ保全活動と遺伝子組換え試薬開発

当社の海外子会社であるアソシエーツ オブ ケープコッド インク(以下、ACC社)では、カブトガニの血球成分を原料とする試薬の製造及び販売を事業としていることから、天然資源であるカブトガニの保全活動を継続的に推進しています。その一環として、絶滅の危険性があると言われるアジア産カブトガニの個体数を維持する活動への助成を2019年より開始しています。 個体数の維持とは、卵と精子を体外受精後、生存可能な幼体にまで成長させて自然界に放流するものです。ACC社では、従来からこの活動に取り組み、その技術やノウハウを蓄積してきました。

世界の学術機関や民間研究者を対象とし、助成の対象となる団体には、ACC社の保有するカブトガニに関する知的所有権を無償で使用可能とするライセンスが供与されるほか、体外受精方法や高効率な養殖機器の操作トレーニングも伝授されます。なお、ACC社はアメリカ マサチューセッツ州において2022年12月末までにおよそ120万匹のアメリカ産カブトガニの幼体を放流しています。

また、保全活動と並行して、天然由来のカブトガニから採取した血液を使用せずに製造できる遺伝子組換えエンドトキシン測定用試薬の開発にも注力してきました。2021年4月にACC社が海外向けに、同年5月に生化学工業が国内向けに発売した「PyroSmart NextGen」は、生化学工業における長年の研究開発の成果に基づきACC社において製品化したものです。本製品は天然由来品と同じカスケード経路に従うため、従来の天然由来品から本製品に置き換えた場合でも、同じ試験方法や試験機器等で活用できることが特徴です。カブトガニの個体数維持の取り組みに加え、遺伝子組換え試薬という新しい選択肢を提供することで、持続的な環境保全への貢献を図っていきます。

今後も当社グループは、医学・薬学の分野に多大な貢献をしているカブトガニの保全活動を積極的に支援し、維持可能な範囲で利用をしていくことに努めていきます。

放流されるアメリカ産カブトガニの幼体
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放流されるアメリカ産カブトガニの幼体
PyroSmart NextGen
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PyroSmart NextGen