生物多様性方針

生化学工業は、生命関連企業として事業における生物多様性の重要性を認識した上、生物多様性の保全と生物資源の持続可能な利用に努めます。

1.適用範囲
本方針は、生化学工業及び子会社の全役職員(役員、執行役員、社員、契約社員、パート社員、アルバイト社員、派遣社員等を含む)に適用されます。

2.生物多様性に配慮した企業経営の推進
私たちは、事業活動が生物多様性に及ぼす影響をサプライチェーン全体で把握し、影響の最小化に努めることで、生物多様性に配慮した企業経営を行います。

3.環境負荷低減による生物多様性の保全
私たちは、気候変動の緩和、汚染防止、資源循環、エネルギー・水の有効利用に取り組むことで、生物多様性に悪影響を及ぼす環境負荷の低減に努めます。

4.生物多様性の保全に関する意識向上
私たちは、生物多様性の保全に関する意識向上に努め、ステークホルダーとのコミュニケーションを通じて、生物多様性を育む社会づくりに貢献します。

5.法令等の遵守
私たちは、各国・各地域の法令や取り決めを遵守し、遺伝資源を含む生物資源の公正な利用に努めます。

6.情報の共有
私たちは、生物多様性の保全に関する自社の取り組みを積極的に開示します。

2023年4月1日

代表取締役社長

アソシエーツ オブ ケープ コッド インクのカブトガニ保全活動と遺伝子組換え試薬開発

生化学工業の海外子会社であるアソシエーツ オブ ケープコッド インク(以下、ACC社)では、カブトガニの血球成分を原料とする試薬の製造及び販売を事業としていることから、天然資源であるカブトガニの保全活動を継続的に推進しています。その一環として、絶滅の危険性があると言われるアジア産カブトガニの個体数を維持する活動への助成を2019年より開始しています。個体数の維持とは、卵と精子を体外受精後、生存可能な幼体にまで成長させて自然界に放流するものです。ACC社では、従来からこの活動に取り組み、その技術やノウハウを蓄積してきました。
 

世界の学術機関や民間研究者を対象とし、助成の対象となる団体には、ACC社の保有するカブトガニに関する知的所有権を無償で使用可能とするライセンスが供与されるほか、体外受精方法や高効率な養殖機器の操作トレーニングも伝授されます。なお、ACC社はアメリカ マサチューセッツ州において2022年12月末までにおよそ120万匹のアメリカ産カブトガニの幼体を放流しています。
 

また、保全活動と並行して、天然由来のカブトガニから採取した血液を使用せずに製造できる遺伝子組換えエンドトキシン測定用試薬の開発にも注力してきました。
2021年4月にACC社が海外向けに、同年5月に生化学工業が国内向けに発売した「PyroSmart NextGen」は、生化学工業における長年の研究開発の成果に基づきACC社において製品化したものです。本製品は天然由来品と同じカスケード経路に従うため、従来の天然由来品から本製品に置き換えた場合でも、同じ試験方法や試験機器等で活用できることが特徴です。カブトガニの個体数維持の取り組みに加え、遺伝子組換え試薬という新しい選択肢を提供することで、持続的な環境保全への貢献を図っていきます。
 

今後も当社グループは、医学・薬学の分野に多大な貢献をしているカブトガニの保全活動を積極的に支援し、維持可能な範囲で利用をしていくことに努めていきます。

放流されるアメリカ産カブトガニの幼体
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放流されるアメリカ産カブトガニの幼体
PyroSmart NextGen
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PyroSmart NextGen