製剤技術を追求し、創剤の現場に活かす

探索製剤研究

挑戦を後押しする環境で製剤研究に取り組む

医薬品の候補化合物を、どのような剤形で投与することが最適なのかを探り、治験薬製造や承認申請を担うCMC研究所への移管までをその役割とする探索製剤研究室。自らの研究をもとに、他研究室や時には社外からも情報を収集して研究を進めるスタイルは自由度が高く、研究者としての視野を広げてくれます。

研究の糧となった「無菌製剤」の製造経験

探索製剤研究室では、医薬品の候補化合物について、その性質の調査・分析から製造プロセスの確立に至るまで幅広く携わっています。その中で、主に私が担当するのは、候補化合物の製剤化検討と物理化学的特性の評価法の開発です。患者さんに投与する際に、どのような剤形で投与するのがベストか、様々な検討実験を行い提案していきます。
入社2年目には、新規開発となる治験薬の製造と供給に携わりました。普段の実験室での作業とは異なり、クリーンルームで作業する無菌製剤だったため、細心の注意が必要となり特に気を配りました。治験薬を手にする医療スタッフの皆さんや、投与される患者さんのことを意識しながら製造に携わることができ、その後の研究を進める上でも大きなプラスになる経験でした。

新たな製剤技術が創剤の可能性を切り拓く

日々の業務では、限られた時間の中で計画書や報告書を綿密に作成し、管理を徹底して研究開発を進めていく必要があります。その一方で、業務と並行して実験を行い、提案していくことも推奨されており、大変恵まれた研究環境だと感じています。
先日、社内の研究発表会で製剤技術の発表を行い、溶けにくい候補化合物を体内で吸収しやすくするための新たなアプローチなどを報告しました。他の研究室とは異なる「製剤」という角度から解決策を提案することができ、非常に意義ある発表だったと自負しています。
新たな製剤技術を用いた新製品の開発は、より良い医薬品を供給するために今後さらに重要になっていくと思われ、力を入れて取り組むべきミッションだと感じています。今後は、これまで以上に研究に力を入れるとともに、社外からの情報も積極的に取り入れ、さらなる成果を導き出したいと考えています。

現在取り組んでいる候補化合物の評価法について、1週間の分析計画の作成と準備を行う。

計画に沿って分析開始。空いた時間を利用して、同時並行で別実験の検討も進める。

1日出張。DDS(ドラッグデリバリーシステム)に関する講演会に参加。

火曜の分析の評価を行い、結果をまとめる。

木曜の分析結果を元に改善点を考え条件を検討し直し、報告書を作成。さらに分析結果について研究室のメンバーと話し合い、次の実験に活かす。

※本記事の内容は取材当時のものです。