
研究に熱い想いを持つ仲間たちと一緒に新薬を育てていく
研究に熱い想いを持つ仲間たちと一緒に新薬を育てていく
プロフィール
- S.I.
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創薬2研究室
2014年入社
大学院では抗がん剤のドラッグデリバリーシステムについて研究し、自分の合成した化合物が医薬品に応用できることに興味や魅力を感じ、関連する仕事に就くことを希望した。研究そのものが好きだったこともあり、研究開発に力を入れている生化学工業なら仕事に打ち込めると感じ入社。探索製剤研究室を経て、現在は創薬2研究室に所属。候補化合物の分析を担当している。

新薬の候補品の分析や製剤化を検討し
薬を育てていくのが仕事
創薬研究における新薬候補品の分析評価と製剤化検討業務に携わっています。研究テーマ単位で仕事を進め、合成、薬理、そして私の担当である分析に役割が分かれますが、仕事を通して構造や剤形のデザインを決める、あるいはブラッシュアップしていくことになるので、いってみれば新薬を育てていくような仕事といえます。
分析業務では分析結果を解析して評価したパラメータと有効性との関係や、化合物の安定性を確認します。出てきた結果によって「この特性が有効性に寄与している」「この化合物は中性条件では安定性が低い」といったことを各担当へフィードバックしていきますが、そうした一連の流れを繰り返して一番高い薬効を示す構造や安定性が高い構造を見極め、ひとつの化合物へと候補が絞り込まれていきます。
当社はGAGというユニークな化合物を取り扱っており、一般的な低分子薬とは特性が異なります。そうした特徴的な部分を見逃さずに正しく評価するための試験構築を行うのが難しくも面白いところです。

本社や他部署と関わるテーマリーダー経験で
担当の仕事以外にも視野が広がる
入社6年目にある品目の研究テーマリーダーを務めました。これは研究から治験、承認申請や上市までの全体を見据えて管理するようないわゆる取りまとめ役です。自部署だけではなく、安全性代謝研究室、CMC研究所、臨床開発部など他部署との協力が不可欠です。幅広い知識が必要となり、これまで分析の仕事しかしていなかった私には新しい経験ばかりでした。おかげでさまざまなバックグラウンドがある方々と関わり、多くのことを学ぶことができました。
この研究テーマリーダーを経験したことで視野が広がりました。今行っている分析の仕事は上流工程で、その仕事だけに従事していると実際に医薬品にするにはどうするかという視点がなかなか育ちません。しかし全体の取りまとめを行ったことで、新薬候補に対して俯瞰的な視点から創薬を考えられるようになったと思います。創薬テーマの選定についても、もっと全社的な広い視野で議論すべきではないか等、経験で得られた考え方を何らかの形で還元していければいいなと思っています。テーマリーダーは早い人なら3年目頃から任命されますが、若手にこうしたチャンスを与えてくれるのも会社の魅力のひとつです。

社員が研究や創薬にかける熱意の高さこそ
この会社最大の魅力
私は研究が好きでこの会社に入ったので、研究環境が良く、創薬にかける熱量の高い仲間と一緒に働けることを楽しく感じています。たとえば毎年1回開催される社内学会と呼ばれるTATENOフォーラムは、研究への情熱をひしひしと感じる場です。ここでは仕事で携わっているものからアイデアレベルのものまで、誰もが研究成果の発表や新しい考え、技術の報告を行うことができます。私も発表経験がありますが、議論や知識共有の場であり、そこからテーマ提案につながることもあります。会社の歯車のひとつとなるのではなく、社員のひとりひとりが創薬に関われている感覚が得られ、日々のモチベーションにもなりますね。
私自身がここまで幅広い経験をさせてもらってきたので、今後は後進の育成にも力を入れ、チーム全体の創薬力を高めるよう貢献していきたいと思っています。それは分析業務ができる人を増やすという意味ではなく、医薬品を作っていく上で大事な考え方を身につけ、医薬品の品質特性の見極めをできるような人材を育てるのが目標です。私が上司に教わってきたものを次世代に受け渡しつつ、生化学工業をより発展させられるような後輩たちを育てていければと思っています。