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代表取締役社長 水谷 建
当社は、2009年3月に策定した「生化学工業10年ビジョン」のもと、糖質科学分野に研究開発の焦点を絞り、国際競争力を確立する「グローバル・カテゴリー・ファーマ」としての発展を目指しています。
当中間期は、東日本大震災による影響や急速な円高などの要因もあり、厳しい事業環境が継続しました。このような中、売上高は前中間期並みとなったものの、利益については、減価償却費等の原価減や研究開発費の減少により増益となりました。主力製品の関節機能改善剤アルツは、震災の影響を受けながらもマーケット拡大率を上回る伸びを示しており、海外でも中国における販売が順調に推移しています。
当期は、3ヵ年の中期経営計画の最終年度となります。これまでに、米国での「Gel-One(ジェル・ワン)」の承認取得や、米国子会社の黒字化定着、新たな設備増強計画への着手など、経営基盤強化に向けた施策が進展しました。本中期経営計画も残り僅かとなりましたが、10年ビジョン実現に向けた「基礎体力の養成と体制の構築」を着実に推し進めていきます。
腰椎椎間板ヘルニア治療剤「SI-6603」は、椎間板への1回の注射で手術による治療と同程度の効果を示すことが考えられ、患者の方々の身体的な負担のみならず、医療費の軽減にも貢献できる薬剤になるものと期待しているテーマです。2011年10月に日本における第V相臨床試験の治験届を独立行政法人医薬品医療機器総合機構に提出しました。本試験は、2010年12月に得られた第U/V相臨床試験の結果に加え、第V相臨床試験によるさらなるデータの集積を目的として、腰椎椎間板ヘルニアの症状改善効果と安全性を検討するものです。また、米国で実施中の第U相臨床試験の進捗にも注力していきます。
日本で販売している関節機能改善剤「アルツ」について、販売提携先の科研製薬株式会社と共同で、腱(けん)・靭帯(じんたい)付着部症の適応症追加を目的とした「SI-657」の前期第U相臨床試験を2011年7月に開始し、同年8月に症例登録(投与)が完了しました。腱・靭帯付着部症とは、ひざやひじ、かかとなど骨と腱・靭帯が結合している部位への過度な負荷が要因となって強い痛みが生じる疾患で、「テニスひじ」「ジャンパーひざ」と呼ばれているものです。
なお、導入テーマである関節リウマチ治療剤「SI-615」、炎症性疾患治療剤「SI-636」については、導入元企業の実施する臨床試験の進捗等を勘案し、今後の開発方針を検討する予定です。
その他、自社開発テーマとして、眼科領域1テーマ及び関節疾患領域1テーマがあり、それぞれ早期の臨床試験開始に向けて開発を進めています。
これからも自社開発と開発品導入をバランスよく推進することで研究開発テーマを拡充させ、新製品の早期かつ継続的な上市を目指していきます。

震災の影響や前中間期にアルツの出荷が高水準であったことの反動などによる国内医薬品の減少を、海外医薬品の販売数量増や、ヒアルロン酸原体の増加でカバーしたものの、円高の影響を受け、売上高は、前中間期とほぼ同程度の137億9千5百万円となりました。
売上高は前中間期並みでしたが、高萩工場第4製剤棟の減価償却費等の原価減少などにより、売上総利益は増加しました。さらに、前中間期に腰椎椎間板ヘルニア治療剤「SI-6603」の国内治験費を一括計上したような特別要素がなかったこと、また、予定していた米国治験費の計上を第3四半期以降に繰り越したことなどによる研究開発費の減少があり、営業利益は32億1千3百万円となりました。
なお、当中間期における研究開発費は、前中間期比30.5%減の24億2千2百万円となり、対売上高比率は、前中間期から7.5ポイント減少し、17.6%となりました。
円高幅の縮小等により外貨建資産の評価等に関する為替差損が減少したことなどから、経常利益は、前中間期比85.4%増の31億8千3百万円、四半期純利益は21億9百万円となりました。
<国内医薬品>
関節機能改善剤の国内市場は、高齢者人口の増加や、販売提携先の科研製薬株式会社とともに疾患啓発活動を継続したことにより拡大しましたが、震災の影響により受診を控える傾向が見られ、伸び率は前中間期よりも低下しました。アルツについては、先発品としてのブランド力を活用した拡販に注力したことで医療機関納入本数が増加し、市場シェアは拡大しました。しかしながら、前中間期にプラスチック容器を新規投入したことにより、販売提携先向けの出荷が高水準であったことから、当社の売上は減少しました。
眼科手術補助剤オペガンは、販売提携先の参天製薬株式会社と連携して、販売促進活動に努めましたが、震災の影響による白内障手術件数の減少や競合激化により、医療機関納入本数および当社の売上は減少しました。
内視鏡用粘膜下注入材ムコアップは、震災の影響による内視鏡手術件数の伸び悩みが見られましたが、販売提携先のジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社とともに内視鏡手術の手技を浸透させる啓発活動に注力し、売上を伸ばしました。これらの結果、国内医薬品の売上高は前中間期比1.0%減の93億3千万円となりました。
<海外医薬品>
米国向けスパルツの現地販売は、保険会社による償還厳格化の影響がほぼ一巡したことや、比較的販売価格が高い医薬品卸会社経由の販売増加などにより、前中間期と同程度となりました。当社の輸出売上は、数量ベースでは増加したものの、円高の影響により減少しました。一方、中国向けは、主要都市を中心とした医療機関で高い品質や世界初のオリジナル製品であることが評価されており、引き続き売上を伸ばしました。また、ヨーロッパ向けも、前期末出荷予定分が震災の影響により当中間期へ繰り越したことなどにより増加しました。これらの結果、海外医薬品の売上高は前中間期比1.3%増の16億5千万円となりました。
海外での品質管理向けエンドトキシン測定試薬などが堅調に推移したことや、ヒアルロン酸原体が増加したものの、円高の影響などにより、減少しました。
生化学工業は、持続的な成長を通じて株主価値の向上に努めるとともに、株主の皆さまへの利益還元を重要な経営課題として位置づけています。今後も、株主をはじめとするステークホルダーの皆さまから高い信頼を得られるよう、全力で取り組んでまいります。
株主の皆さまにおかれましては、引き続き、一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2011年12月
代表取締役社長
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